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文献詳細

雑誌文献

臨床外科6巻9号

1951年09月発行

文献概要

最近の外国外科

Hirsehsprung氏病,他

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.443 - P.445

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 巨大結腸はこれを本来のヒルシスプルング氏病と特発性巨大結腸症とに区別される.最も普通に見られるものは後者の方で,この場合の巨大結腸は慢性の便秘に起因する.本来のヒ氏病は先天性畸形に属し.その病気の性質は顯微鏡檢査によつてのみ始めて証明し得る.即ち病理学的に腸管壁の筋層内神経節細胞の発育不全と自律神経纖維束の成形障碍とに因るもので,その機能的障碍としては患部に於ける調節された蠕動運動の欠如が現われる.そのために二次的にその上方の腸管部に能動型の巨大結腸症を発生するに至るものである.診断には巨大結腸部よりも下方の拡張しておちない部分或に狹窄している部分をバリウムの浣腸でレ線学的に証明することである.從つて現在ヒ氏病の合理的療法はこの蠕動しない腸管の部分をS字状結腸直腸切除術で切除することであると考えられている.著者たちのこの報告の根拠は総計40例(中37例は男兒)のヒ氏病患者の経驗によるものである.この37例の兒童の家族に就て,この疾患の遺傳的関係を調査研究した結果,本疾患に遺傳的関係のあると云う考えを支持する結果を得た.即ち本病を有する患者の男性血族者には大体5名中1名の割で見られたが,女子には少なかつた.
 S字状結腸直腸切除術を施した37名の患者中3名は手術中或は手術後に死亡し,2名は極めて最近手術したもので,その結果を未だ茲に述べられないものである.しかし他の32名の患兒は現在極めて良好な健康状態にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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