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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻1号

2005年01月発行

外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 12

胃腸切離断端の消毒は必要か

著者: 松股孝1

所属機関: 1中津市民病院・外科

ページ範囲:P.94 - P.95

文献概要

【消毒剤】

 イソジンは手術部位の粘膜の消毒も用法として認められているが,外用消毒剤であるので体腔内に使用してはいけない.ヨウ素過敏症が発生する恐れがあるのでせいぜい健常皮膚の消毒に使うのが無難であろう.

 粘膜面に接触する器具をヒビテン消毒した場合には,滅菌水でよく洗い流した後に使用することとなっており,粘膜面への使用は禁止されている.ヒビテンショックに細心の注意が必要である.

 そもそも粘膜面は感染に強いので消毒は必要ない.逆に,吸収力が強いのでヨウ素過敏症やヒビテンショックが起こりやすい.しかし,消化管の縫合不全の一因が,吻合部の感染である1)とするならば,吻合部に異物があってはよくないだろう.異物を除去するという意味では,術者の運針の合いの手のようにして粘膜面を拭き取るような操作は必要かも知れない.

参考文献

1)Schardey HM, Joosten U, Finke U, et al:The prevention of anastomotic leakage after total gastrectomy with local decontamination. A prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled multicenter trial. Ann Surg 225:172-180, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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