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臨床研究
50歳未満の若年者における重複癌の検討
著者: 田中恒夫1 真次康弘1 石本達郎1 中原英樹1 香川直樹1 福田康彦1
所属機関: 1県立広島病院一般外科
ページ範囲:P.97 - P.100
文献購入ページに移動近年,平均寿命が延びていることや診断技術や治療法が進歩してきたことから,重複癌の症例を経験することが多くなってきた.当然のことながら,重複癌は高齢になるほど高頻度となることが知られている.
一方で,検診の普及やハイリスクグループの選定,診断法の進歩などによって,若年者で発見される悪性腫瘍が増加している.若年者の定義は定まったものはないが,悪性腫瘍の検討では一般に40歳未満とするものが多い.しかし,これまでに40歳未満の若年者の重複癌の報告は症例報告しかなく,若年者の重複癌を集計して検討した報告はみられない.重複癌では2回以上の発癌となるので,今回の検討では50歳未満を若年者として扱った.
若年者で悪性腫瘍を発症した場合,他臓器癌を合併することが高いものと予想され,その臨床像を明らかにすることには日常診療上も意義深いことであると考え,以下の検討を行った.
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