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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 自動吻合器・縫合器による消化管再建の標準手技と応用

胃全摘後のRoux-Y再建術―Circular staplerによる全器械吻合法

著者: 小林理1 吉川貴己1 円谷彰1

所属機関: 1神奈川県立がんセンター消化器外科

ページ範囲:P.1257 - P.1262

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要旨:吻合・縫合器が登場する以前の胃全摘術は食道空腸吻合に高度な技術が求められていた.しかし,現在では,吻合・縫合器の発展により胃全摘後の再建は安全かつ迅速に行われ,食道空腸吻合を手縫いで行う施設は皆無となっている.胃全摘後の再建法としては空腸間置法とRoux-Y法が一般的である.胃全摘後の愁訴としては胸焼け,つかえ感,食事摂取量や体重減少があり,QOLを考慮した再建法が各施設で試みられている.当科では空腸間置法とRoux-Y法の患者に術後のQOLをアンケート調査し,再建法の間に差を認めなかったことから,現在は全例Roux-Y法とし,全吻合をcircular staplerで行っているので紹介する.

参考文献

1)Barone RM:Reconstruction after total gastrectomy:construction of a Hunt-Lawrence pouch using Auto Suture staples. Am J Surg 137:578-584, 1979
2)三輪晃一,佐藤貴弘,木南伸一,他:胃全摘後の有茎小腸関置―器械による食道空腸端々吻合.外科61:844-848,1999
3)Nakane Y, Okumura S, Akehira K, et al:Jejunal pouch reconstruction after total gastrectomy for cancer:A randomized controlled trial. Ann Surg 222:27-35, 1995
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5)今田敏夫,山本裕司,高橋 誠,他:胃全摘後の再建法の違いによる術後の栄養摂取と後遺症の評価.Med Postgrad 33:313-317,1995
6)小林 理,吉川貴己,円谷 彰,他:胃全摘後の全器械吻合によるRoux-Y再建術.手術54:2007-2011,2000
7)片井 均,佐野 武,笹子三津留,他:Roux-Y再建吻合法.消外26:213-221,2003
8)荒井邦佳,北村正次,宮下 薫:胃全摘後の空腸間置術.手術47:841-847,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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