文献詳細
特集 自動吻合器・縫合器による消化管再建の標準手技と応用
文献概要
要旨:大腸切除後の端々三角吻合法の手技と結果を報告する.当院で大腸切除後に端々三角吻合を行ったのは344例である.手術手技は以下の通りである.後壁内翻縫合は3針の全層支持糸を吊り上げ,前壁をかみ込まないようにlinear staplerで縫合する.前壁はその中央と先に縫合した後壁の端の間を外翻するように同じくlinear staplerで縫合する.前壁の残り3分の1も同様に外翻縫合する.前壁外翻縫合から開始し,180度回転させることですべて外翻する場合もある.344例中,縫合不全は2例に発生したが,吻合部出血や狭窄は認められなかった.大腸切除後の端々三角吻合はきわめて簡便でかつ安全な吻合法であると考えられる.
参考文献
1)Venkatesh KS, Morrison N, Larson DM, et al:Triangulating stapling technique:an alternative approach to colorectal anastomosis. Dis Colon Rectum 36:73-76, 1993
2)福長洋介,東野正幸,西口幸雄,他:大腸切除術後再建における端端三角吻合.手術58:247-250,2004
3)古川良幸,平井勝也,山本 尚,他:三角吻合による頸部食道胃管吻合の有用性と基礎的検討.日外会誌102(臨増):409,2001
4)永田松夫,本田一郎,山本 宏,他:三角法による頸部における食道胃端端吻合術.手術55:2077-2081,2001
5)Fukunaga Y, Higashi M, Tanimura S, et al:A novel laparoscopic technique for stapled colon and rectal anastomosis. Tech Coloproctol 7:192-197, 2003
掲載誌情報