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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻10号

2005年10月発行

文献概要

特集 自動吻合器・縫合器による消化管再建の標準手技と応用

直腸癌に対する低位前方切除後のIO-DST吻合法

著者: 小出欣和1 前田耕太郎1 花井恒一1 佐藤美信1 升森宏次1 青山浩幸1 勝野秀稔1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部消化器外科

ページ範囲:P.1285 - P.1289

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要旨:直腸癌に対して安全で確実な,より低位での括約筋温存術を行うには,手術手技の工夫が不可欠である.そのために水平大腿開脚体位,尾側への切開創の延長,膀胱圧排鉤を用いた視野展開,I式洗浄器による残存直腸洗浄,endo staplerを用いての直腸の垂直方向への縫合切離,K式開肛器を用いての自動縫合器の肛門からの挿入によるIO-DST(double stapling technique)を行う.本法は,直腸を垂直方向に閉鎖することによりI字型の縫合線ができ,これをO字型のサーキュラーステイプラーで打ち抜くためIO-DSTと命名した.IO-DSTは垂直方向に長い楕円形の吻合口となり,垂直方向に長い楕円形の肛門管付近の吻合ではより生理的な吻合法と考えられ,術後成績も良好である.

参考文献

1)前田耕太郎,丸田守人,奥村嘉浩,他:低位吻合,狭骨盤例に対するエンドステイプラーを用いたIO吻合によるdouble stapling technique.手術51:1834-1836,1997
2)前田耕太郎,丸田守人,内海俊明,他:低位前方切除後の機能障害の診断と治療.外科治療83:177-181,2000
3)前田耕太郎,丸田守人,内海俊明,他:低位前方切除術.日外会誌101:449-453,2000
4)前田耕太郎,丸田守人,橋本光正,他:下部直腸手術における腰部高位の体位の有用性についての検討.日消外会誌29:1964-1967,1996
5)丸田守人,前田耕太郎,内海俊明,他:下部直腸癌に対する機能温存手術(骨盤自律神経温存術とDST吻合術).消化器外科27:1095-1104,2004
6)前田耕太郎,橋本光正,酒井章次,他:直腸癌に対する前方切除時の工夫.手術48:1835-1839,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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