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特集 癌治療のプロトコール2005-2006 Ⅰ.食道癌治療のプロトコール
大阪市立総合医療センター消化器外科・他
著者: 東野正幸1 竹村雅至2
所属機関: 1大阪市立総合医療センター消化器外科 2大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科学
ページ範囲:P.15 - P.19
文献購入ページに移動食道癌は胃癌や大腸癌に比べて予後の悪い疾患として知られており,根治術後でも再発率が高い.さらに,わが国で行われている3領域リンパ節郭清術は予後を改善させる効果はあるものの,術後合併症の頻度が高く手術侵襲も大きいことで知られており,適応できる症例が限定されるため,術前の患者ごとのリスク評価が非常に重要である.
近年では放射線化学療法などの集学的治療が発達し,腫瘍の進行度や症例ごとの全身状態に合わせて,手術療法のみならず化学療法や放射線照射を組み合わせて行うことが多くなっている.さらに術後のquality of life(QOL)を向上させる目的で食道癌手術にも内視鏡下手術手技が導入され,施設によって様々な工夫もなされている1,2).このように,食道癌の治療方針に関しては「食道癌治療ガイドライン」3)が日本食道疾患研究会から出版されているものの,腫瘍の進行度や患者の状態によってその組み合わせには様々な選択がある.
本稿では,われわれが行っている胸腔鏡下食道切除術を中心とした胸部食道癌治療のプロトコールについて述べる.
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