文献詳細
特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅱ.胃癌治療のプロトコール
文献概要
はじめに
当科では,基本的には「胃癌治療ガイドライン」1)に準拠した治療を行っている.刻々と変貌する胃癌治療のなかで,患者のquality of life(QOL)を少しでも維持・改善させるための機能温存・縮小手術をできるだけ取り入れるように努力しつつも,安全性を第一に重視し,かつ根治性を損なわないことを大前提に治療に取り組んでいる.
本稿で紹介する内容は,基本的に全身状態が良好で,全身麻酔下開腹手術の安全性には問題がなく,病変の進行度に応じた根治性に基づいた治療方針である.高齢者や,併存症を有するなどでリスクを伴う症例では,安全性を重視し,バランスを保ちつつ適宜,手術内容を縮小している.また,胃癌に限らず癌診療上当科で重視している内容は,できる限り迅速に診断して治療を開始することと,患者中心の医療を展開することである2).
当科では,基本的には「胃癌治療ガイドライン」1)に準拠した治療を行っている.刻々と変貌する胃癌治療のなかで,患者のquality of life(QOL)を少しでも維持・改善させるための機能温存・縮小手術をできるだけ取り入れるように努力しつつも,安全性を第一に重視し,かつ根治性を損なわないことを大前提に治療に取り組んでいる.
本稿で紹介する内容は,基本的に全身状態が良好で,全身麻酔下開腹手術の安全性には問題がなく,病変の進行度に応じた根治性に基づいた治療方針である.高齢者や,併存症を有するなどでリスクを伴う症例では,安全性を重視し,バランスを保ちつつ適宜,手術内容を縮小している.また,胃癌に限らず癌診療上当科で重視している内容は,できる限り迅速に診断して治療を開始することと,患者中心の医療を展開することである2).
参考文献
1)日本胃癌学会(編):胃癌治療ガイドライン(第2版).金原出版,2004
2)小西敏郎,野家 環,古嶋 薫,他:胃癌のクリティカルパスの意義.日消会誌98:1341-1348,2001
3)野家 環,小西敏郎:胃癌の膵温存・脾合併切除胃全摘術.手術56:200-202,2002
4)Sano T, Sasako M, Yamamoto S, et al:Gastric cancer surgery:morbidity and mortality results from a prospective randomized controlled trial comparing D2 and extended para-aortic lymphadenectomy―Japan Clinical Oncology Group Study 9501. J Clin Oncol 22:2767-2773, 2004
5)野家 環,小西敏郎:胃癌の外科的治療―外科的治療のクリニカルパス.コンセンサス癌治療1:26-31,2002
6)Noie T, Konishi T, Nara S, et al:Development of clinical pathway in S-1 chemotherapy for gastric cancer. Gastric Cancer 6:58-65, 2003
掲載誌情報