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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻11号

2005年10月発行

文献概要

特集 癌治療のプロトコール2005-2006 Ⅲ.大腸癌治療のプロトコール

昭和大学横浜市北部病院消化器センター

著者: 石田文生1 工藤進英1 田中淳一1 遠藤俊吾1 日高英二1 永田浩一1 辰川貴志子1 樫田博史1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター

ページ範囲:P.109 - P.116

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はじめに

 癌治療の方法を決定するに際して,benefitとriskを正しく評価した,すなわち病変の根治性と治療による侵襲の大きさを考慮した選択が望まれる時代になってきた.診断のうえでは,大腸内視鏡診断学は電子スコープの出現と拡大電子スコープの開発によって飛躍的に進歩を遂げた1).一方,治療面でも1992年に腹腔鏡下手術がわが国に紹介されて以来,大腸手術にも腹腔鏡下手術が導入されるに至った.腹腔鏡下手術手技の開発と適応の拡大によって,さらに低侵襲な手術治療が可能となってきた.また近年,内視鏡においても粘膜切開剝離法(endoscopic dissection:以下ESD)が大腸に導入されて,治療法の選択がより多彩になっている.これらの医療技術の進歩を背景として,正確な診断に基づいた的確な治療法の選択が確実なものとなりつつある.

 本稿では,われわれが現在行っている大腸癌治療のプロトコールを,これまでに蓄積・解析したデータを示しながら紹介したい.

参考文献

1)工藤進英:早期大腸癌―平坦・陥凹型へのアプローチ.医学書院,1993
2)大腸癌研究会(編):大腸癌治療ガイドライン.金原出版,2005,pp15-21
3)工藤進英,曽我 淳,下田 聡,他:大腸sm癌のsm浸潤の分析と治療方針―sm浸潤度分類について.胃と腸19:1349-1356,1984
4)Ueno H, Mochizuki H, Hashiguti Y, et al:Risk factors for an adverse outcome in early invasive colorectal carcinoma. Gastroenterology 127:385-394, 2004
5)Kudo S:Endoscopic mucosal resection of flat and depressed early colorectal carcinoma. Endoscopy 25:455-461, 1993
6)石田文生,工藤進英:大腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術.外科治療90:456-461(増刊号),2004
7)石田文生,工藤進英:外来の内視鏡治療.外科67:17-22,2005
8)Nagata K, Endo S, Kudo S, et al:CT air-contrast enema as a preoperative examination for colorectal cancer. Dig Surg 21:352-358, 2004
9)田中淳一,工藤進英,石田文生,他:腹腔鏡下治療の現況―早期大腸癌に対する腹腔鏡下手術.早期大腸癌7:563-571, 2003
10)石田文生,大村健二,金平永二,他:大腸癌肝転移に対する5-FU+CDDP療法の検討.大腸肛門病学会誌47:461-465,1994
11)金子栄蔵,小越和栄,原田英雄:偶発症と対策ガイドライン.日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編);消化器内視鏡ガイドライン(第2版).医学書院,2002,pp39-46

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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