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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻11号

2005年10月発行

文献概要

特集 癌治療のプロトコール2005-2006 Ⅶ.膵癌治療のプロトコール

癌研有明病院消化器センター肝胆膵グループ

著者: 山本順司1 斎浦明夫1 古賀倫太郎1 野呂拓史1 関誠1 大矢雅敏1 瀬戸泰之1 大山繁和1 山口俊晴1 高野浩一1 浅原新吾1 清水深雪1 藤田直哉1 亀井明1 猪狩功遺1

所属機関: 1癌研有明病院消化器センター肝胆膵グループ

ページ範囲:P.223 - P.226

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原発性膵悪性腫瘍の80~90%近くを占める浸潤性膵管癌(以下,膵癌)の悪性度は固形癌のなかでも際立っており,根治的治療によってもその予後が不良であることはよく知られている1).本稿では,そのような悪性腫瘍に対する当院での治療法のプロトコールについて解説する.

術前診断とステージング

 診断において最も重要な点は膵実質内の腫瘍性病変の描出と膵管の拡張である.通常は腹部超音波検査やCT,MRIで膵内の占拠性病変が描出され,それより末梢の主膵管拡張が確定診断の根拠となる.TS1膵癌(径2cm以下)では腫瘤そのものの描出が困難なことも多い.拡張主膵管の途絶部膵頭側に体外式超音波検査やCTで腫瘍が描出されない場合には,超音波内視鏡(EUS)が有用である(図1).

参考文献

1)松野正紀,日本膵臓学会膵癌登録委員会:膵臓登録20年間のまとめにあたって.膵臓18:9-169,2003
2)NCCN(National Comprehensive Cancer Network)Clinical Practice Guidelines in Oncology, Pancreatic Adenocarcinoma Version 1. 2002. URL:http://www.nccn.org/physician_gls/f_guidelines.html
3)岡田周市:切除不能膵癌に対する放射線・化学療法.癌と化学療法29:376-382,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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