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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻12号

2005年11月発行

外科学温故知新 3

麻酔の始まりと麻酔科学の進歩

著者: 外須美夫1

所属機関: 1北里大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.1415 - P.1421

文献概要

1 麻酔の始まり

 近代麻酔の歴史は19世紀に始まる1)

  ・1803年に阿片からモルヒネが抽出される.

  ・1832年にコデインが精製される.

  ・1844年に笑気ガス吸入が抜歯の治療に用いられる.

  ・1846年にエーテルによる全身麻酔の公開実験が成功する.

  ・1847年にクロロホルム麻酔が成功する.

  ・1884年にコカインが伝達麻酔に用いられる.

  ・1898年に脊髄くも膜下麻酔が行われる.

 このように,19世紀は鎮痛薬や麻酔法の開発の歴史として画期的な世紀であった.そのなかでも,1846年に全身麻酔を初めて成功させたモルトン(Morton WTG,アメリカ)の業績は光っている.

 モルトンは27歳のとき(1846年),エーテル麻酔の公開をマサチューセッツ総合病院で行い,成功を収めた(図1).以来,エーテル麻酔が世界中に普及し,それ以後の全身麻酔の礎をつくった.彼の墓碑には次のような言葉が刻まれている1)

参考文献

1)Rushman GB, Davies NJH, Atkinson RS:A Short History of Anaesthesia. Butterworth Heinemann, Oxford, pp9-19, 1996
2)Leake CD:Letheon:The Cadenced History of Anesthesia. University of Texas Press, Texas, 1947
3)松木明知:華岡青洲の新研究.岩波出版サービスセンター,2002
4)松木明知,渡辺廣昭,釘宮豊城,他:日本麻酔科学会50年史.社団法人日本麻酔科学会50年史編集委員会編集.麻酔(増)53:116,2004
5)桜井靖久:医療におけるリスク管理.東京女子医科大学雑誌69:27-33,1999
6)Mangano DT, Layug EL, Wallace A, et al:Effect of atenolol on mortality and cardiovascular morbidity after noncardiac surgery. Multicenter Study of Perioperative Ischemia Research Group. N Engl J Med 335:1713-20, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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