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特集 消化管機能温存を考えた外科手術最前線
―<エディトリアル>―消化管機能を念頭においた消化器外科
著者: 桑野博行1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学
ページ範囲:P.1491 - P.1493
文献購入ページに移動要旨:消化器外科手術は,安全性を重視した時代から根治性を重視した拡大郭清の時代を経て,術後のquality of life(QOL)に関係する機能温存を考慮する時代へと移ってきている.切除の対象となる臓器の温存など近年急速に進んでいる縮小手術の動きは,正確な術前診断に基づく個々の症例に応じた適正化手術への歩みとしてとらえることができる.根治性を損なうことなく術後のQOLを最大限に保持でき,かつ侵襲が最小となるような手術方法を個々の患者ごとに的確に選択する,治療法の個別化が重要である.
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