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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻13号

2005年12月発行

文献概要

特集 消化管機能温存を考えた外科手術最前線 〔検査〕

胃切除後患者に対する胃排出能検査

著者: 中田浩二12 川崎成郎1 仲吉朋子1 羽生信義1 柏木秀幸1 矢永勝彦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学外科 2東京慈恵会医科大学附属柏病院外科

ページ範囲:P.1499 - P.1507

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要旨:胃切除後にみられる胃運動能障害は胃術後障害の発生要因となる.胃癌術後のQOL(quality of life)が重視されるようになり多様な再建法が行われているが,胃術後障害の病態解明や機能温存・機能再建手術の有用性を評価するための消化管機能検査は確立しておらず,広く行われてはいないのが現状である.一方,わが国では胃排出能検査をはじめとする消化管機能検査について多施設共同検討のもとに標準化しようとする努力がなされてきた.なかでも近年急速に普及しつつある13C呼気ガス診断を応用した検査法は,簡便かつ非侵襲的で安全性,信頼性に優れていることから,より日常的な検査法として臨床の場に浸透し,胃切除後患者の病態解明や術式評価の共通の物差しとして利用されることが期待される.

参考文献

1)中田浩二,青山伸郎,中川 学,他:第44回日本平滑筋学会ワークショップ「▲13▲C呼気試験法胃排出能検査(▲13▲C法)の現状と未来―標準化に向けて―」ワークショップレポート.J Smooth Muscle Res 6:J75-J91,2002
2)中田浩二,山本 尚,梁井真一郎,他:アセトアミノフェン法胃排出能検査における新しい薬理学的指標の導入による定量的な評価の試み.臨薬理30:251-252,1999
3)梁井真一郎,中田浩二,羽生信義,他:▲13▲C-octanoic acid呼気試験法による定量的な胃排出能評価―アイソトープ法との比較検討.消化器科30:652-656,2000
4)石塚 泉,西山順博,小山茂樹,他:▲13▲C-化合物を用いた胃排出能検査.臨消内科13:1769-1776,2002
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10)中田浩二,羽生信義,青木照明:X線不透過マーカーを用いた消化管運動機能検査.臨外57:425-430,2002
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20)中田浩二,川崎成郎,高橋朋子,他:胃術後障害と消化器症状出現の病態解明における消化管機能検査.消化器科36:459-466,2003
21)中田浩二,川崎成郎,梁井真一郎,他:消化管機能検査における呼気テスト診断の適応と限界.消化器科39:119-127,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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