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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻13号

2005年12月発行

文献概要

臨床報告・1

大腸放線菌症の1例

著者: 松村富二夫1 松田貞士1 益山貞治1 荒木利卓1 神尾多喜浩2 瀬井圭起1

所属機関: 1済生会みすみ病院外科 2済生会熊本病院病理

ページ範囲:P.1611 - P.1614

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はじめに

 放線菌症は口腔,気管,消化管の常在菌であり,抗生物質の発達した現在,その感染頻度は減少している1).腹部放線菌症は比較的稀な疾患であるが,今回,右下腹部の有痛性腫瘤を触知し,術前に腹腔内膿瘍の診断にて手術を行い,術後に大腸放線菌症と診断された1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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