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新しい完全皮下埋め込み式カテーテル留置法―上腕ポートの管理成績
著者: 井上善文12 廣田昌紀1 阪尾淳1 野村昌哉1 藤田繁雄1
所属機関: 1日生病院外科 2現 医療法人川崎病院外科
ページ範囲:P.1641 - P.1646
文献購入ページに移動在宅静脈栄養法(home parenteral nutrition:HPN)1)や化学療法施行症例2)に対する完全皮下埋め込み式カテーテル(totally implantable subcutaneous infusion port:ポート)の有用性が認識され,使用症例も増加している3).HPN症例においては,輸液を投与しない期間にはカテーテル管理から開放され,自由に活動できるようになるというQOLの維持・向上4),化学療法施行症例においては,輸液・薬剤投与経路としての信頼性および繰り返す穿刺に伴う苦痛からの解放という意味合いが大きい.
ポートの留置経路としては,鎖骨下穿刺などによりカテーテルを挿入してリザーバーは前胸部に埋め込むという方法が一般的に行われているが,われわれは,上腕の静脈切開によりカテーテルを挿入し,リザーバーを上腕外側に埋め込むという方法(上腕ポート)を新たに考案して実施している.今回,過去3年間における上腕ポートの管理成績についてまとめ,有用性を示唆する成績が得られたので報告する.
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