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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻5号

2005年05月発行

文献概要

外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 16

腹膜炎手術のドレーンは必要か

著者: 中川国利1

所属機関: 1仙台赤十字病院・外科

ページ範囲:P.636 - P.637

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【素朴な疑問】

 汎発性腹膜炎の手術では,腹腔内を大量の生理食塩水で洗浄したのちドレーンを留置するのがわが国の常識である.ドレーンをダグラス窩だけではなく,横隔膜下やモリソン窩などの数箇所にも留置するのが普通である.ところが,外国の外科教科書には「汎発性腹膜炎にドレーンは不要」と書かれており,限局性の膿瘍でなければドレーンはおかない.わが国の常識は,間違っているのであろうか.

【ドレナージの意義】

 汎発性腹膜炎の手術時にドレーンを留置する理由としては,貯留した血液や滲出液のドレナージ,再燃した腹膜炎の早期発見,腹腔内膿瘍の予防,さらには消化管吻合部の縫合不全対策などが挙げられている.

参考文献

1)安達洋祐:腹膜炎の手術でドレーンは合併症を減少させるか?;消化器外科のエビデンス.医学書院,2003,pp231-236
2)松股 孝:胃腸手術後のドレーンは必要か.臨外59:722-723,2004
3)中川国利,北村道彦,渡辺 晃:胃・十二指腸潰瘍穿孔症例の検討.外科42:363-365,1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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