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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻8号

2005年08月発行

特集 肝切除のコツを知る―出血を少なくするために

腹腔鏡下肝切除の要点

著者: 黒川剛1 稲垣均1 野浪敏明1

所属機関: 1愛知医科大学医学部消化器外科

ページ範囲:P.1029 - P.1033

文献概要

要旨:腹腔鏡下肝切除はいまだ発展途上な治療手段とはいえ,近年の手術機器の発達により,技術に習熟した術者が適応を限って施行すれば,低侵襲で安全な方法である.手術のポイントは,(1)小範囲の切除にとどめること,(2)切離面ができるだけ平面になるように設定すること,(3)切離線を頭に描いてポートの位置を工夫すること,(4)肝切離線に沿ってあらかじめマイクロ波によって肝実質を凝固すること,(5)切離面が広くなる場合はPringle法や片葉のグリソンを一括処理でテーピングし,流入血行の遮断ができるようにすること,(6)症例によってはハンドアシスト法を用いることなどである.一方,大量肝切除における腹腔鏡下手術の是非は今後の検討を要する.

参考文献

1)Cherqui D, Husson E, Hammoud R, et al:Laparoscopic liver resections:a feasibility study in 30 patients. Ann Surg 232:753-762, 2000
2)Inagaki H, Kurokawa T, Nonami T, et al:Laparoscopy assisted left lateral segmentectomy of the liver:a case report and key technique for the safe laparoscopic hepatectomy. J Hepato-Biliary-Panceas Surg 10:295-298, 2003
3)Kurokawa T, Inagaki H, Sakamoto J, et al:Hand-assisted laparoscopic anatomical left lobectomy using hemihepatic vascular control technique. Surg Endosc 16:1637-1638, 2002
4)Inagaki H, Kurokawa T, Sakamato J, et al:Laparoscopic left hemihepatectomy combined with right hemicolectomy for liver tumor and hemorrhagic diverticulosis. Surg Endosc 17:158-169, 2003
5)Llovet JM, vilana R, Bru C, et al:Increased risk of tumor seeding after percutaneous radiofrequency ablation for single hepatocellular carcinoma. Hepatology 33:1124-1129. 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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