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文献詳細

雑誌文献

臨床外科60巻8号

2005年08月発行

文献概要

臨床報告・1

好酸球性胃腸炎と両側肺気胸と診断,治療したウェステルマン肺吸虫症の1例

著者: 山本紀彦1 飴本完二2 辻慶久1 島田守1 李喬遠1 岡博史1

所属機関: 1守口敬任会病院外科 2守口敬任会病院内科

ページ範囲:P.1061 - P.1065

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はじめに

 ウェステルマン肺吸虫症は,川カニや猪肉などの生食や,それらの不十分な調理から感染する寄生虫症と考えられている1,2,5).今回われわれは,初診にて好酸球性大腸炎と診断し,さらに両側気胸を生じ胸腔鏡下手術を行ったのち,結果的にウェステルマン肺吸虫症であるとわかった反省すべき症例を経験したので報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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