文献詳細
臨床報告・1
乳腺乳頭部腺腫の1例
著者: 杉本健樹1 甫喜本憲弘1 小林道也1 岡林雄大1 荒木京二郎1 森木利昭2
所属機関: 1高知大学医学部腫瘍局所制御学 2高知大学医学部附属病院臨床検査部病理
ページ範囲:P.1187 - P.1189
文献概要
乳腺乳頭部腺腫は,乳癌取扱い規約において乳頭内または乳輪直下乳管内に発生する乳頭状ないし充実性の腺腫と定義され,上皮性良性腫瘍に分類される比較的稀な疾患である1~4).乳頭部のびらん,潰瘍,血性乳頭分泌などの症状がPaget病と酷似しており,病理組織学的にも浸潤性乳管癌との鑑別が問題になる3~5).このため,乳房切除を受けた症例もあり,過剰診断・過剰治療に対する注意が必要な疾患である.
今回われわれは,乳頭内に発生し,摘出生検のみで高い整容性を保ちながら根治し得た本症の1例を経験したので報告する.
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