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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻11号

2006年10月発行

特集 イラストレイテッド外科標準術式

Ⅰ.食道の手術

食道亜全摘結腸再建術

著者: 井垣弘康1 加藤抱一1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲:P.23 - P.29

文献概要

適応と選択

 食道癌切除後の再建臓器に第一選択となる胃を用いることができない場合,通常,結腸が用いられる.結腸による再建では中結腸動脈を血管茎とした右側結腸と,左結腸動脈を血管茎とし横行結腸を中心とした左側結腸が用いられる.あとに述べるような理由で,今日筆者らは左側結腸を用いることを第一選択としている.再建経路は原則的には胸壁前経路を選択していたが,最近では胸骨後経路も再建経路として選択している.後縦隔経路は食道亜全摘の場合,縫合不全になったときに縦隔炎,膿胸への進展が危惧されるが,この経路を選択するときもある.

結腸の授動

 結腸の剝離は右側では肝彎曲部から上行結腸,回盲部を後腹膜から十分に授動する(図1).左側では中結腸動脈根部から脾彎曲部,S状結腸まで剝離する.このとき,尿管,精巣(卵巣)動静脈を損傷しないように剝離を行う.

参考文献

1)渡邊 寛,加藤抱一,日月裕司,他:癌の外科―手術手技シリーズ;食道癌.メジカルビュー社,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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