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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻11号

2006年10月発行

文献概要

特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅱ.胃の手術

幽門側胃切除空腸パウチ間置術

著者: 帆北修一12 愛甲孝1 上之園芳一1 中条哲浩1 石神純也1 有留邦明1 夏越祥次1

所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍制御学消化器外科 2慈愛会今村病院外科

ページ範囲:P.79 - P.85

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はじめに

 幽門側胃切除後の術後障害や愁訴は胃切除術後のquality of lifeの面から注目を集めている.術後愁訴は術後のQOL,手術に対する満足度に大きく結びつくものであり,われわれ外科医に課せられた解決すべき重要な問題でもある.これまでにも各種の再建術式の工夫が幽門側胃切除後の症例に対し試みられ,その1つとして二重腸管を用いたpouchによる代用胃作製が提唱された1,2)が,手術術式が複雑であったことや,QOLや栄養学的な面でどのように評価するか科学的な指標がなかったこともあり,広く普及するには至らなかった.近年,自動吻合器の進歩・普及に伴い手技上の煩雑さが軽減されたこともあり,再び代用胃としてのpouch作製の気運が高まってきている3~6).そこで胃癌手術後患者のQOLの向上を目的として,現在教室で行っている残胃と十二指腸との間にpouchを形成した空腸を間置する再建術式7)について述べる.

参考文献

1)Steinberg ME:A double jejunal lumen gastrojejunal anastomosis-Pantaloons anstomosis. Surg Gynec Obstet 88:453-464, 1949
2)斉藤 漠,石川一策:胃切除後に二重管を移植する一方法について.手術7:217-223,1953
3)三浦敏夫,平野達雄,中越 享,他:胃亜全摘術に対する二重腸管形成間置術.外科治療58:213-221,1988
4)三輪晃一,藤村 隆,木南伸一,他:幽門側胃切除後の空腸pouch間置法.手術49:145-151,1995
5)愛甲 孝,岩重弘文,前之原茂穂,他:空腸pouch間置術.手術49:1799-1804,1995
6)愛甲 孝,帆北修一:空腸パウチ間置術.消化器外科20:167-175,1997
7)愛甲 孝,帆北修一,宮薗太志,他:幽門側胃切除後空腸pouch間置術.手術52:1077-1083,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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