臨床外科61巻11号

2006年10月発行

特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅲ．結腸・直腸の手術

横行結腸切除術

著者： 橋口陽二郎¹ 望月英隆¹

所属機関： ¹防衛医科大学校第1外科

ページ範囲：P.147 - P.153

はじめに

　横行結腸切除は横行結腸の良性腫瘍および早期癌に対してD₀～D₁程度の郭清の手術として行われる場合には腹腔鏡補助下手術の良い適応と考えられる．一方，十分なリンパ節郭清を行うためには中結腸動脈を根部で切離し，大網および結腸間膜も広範に切離する必要があるため，標準的横行結腸切除は腹腔鏡補助下手術の対象となりにくいとされている．本稿では当科で施行している進行横行結腸癌に対する開腹によるD₃郭清の横行結腸切除について述べる．

参考文献

1）安野正道，森　武生，高橋慶一：大腸癌における新しい腸管切除範囲提案；右側結腸癌および低位直腸癌手術後の排便習慣の変化からの検討．日消外会誌30：2112-2116，1997

2）Michels NA, Siddharth P, Kornblith PL, et al：The variant blood supply to the small and large intestines；Its import in regional resections. J Int Coll Surg 39：127-170, 1963

3）Mayo CW：Blood supply of the colon；Surgical considerations. Surg Clin North Am 35：1117-1122, 1995

4）加藤　誠，沢井清司，高橋俊雄，他：血管造影125例からみた上・下腸間膜動脈の分岐走行変異―大腸癌取扱い規約における所属リンパ節の再検討．大腸肛門誌43：277-285，1990

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