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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻11号

2006年10月発行

文献概要

特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅴ.ヘルニアの手術

ヘルニア・システム法(外鼠径へルニアの場合)

著者: 下間正隆1 竹中温1

所属機関: 1京都第二赤十字病院外科

ページ範囲:P.313 - P.320

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はじめに

 成人外鼠径へルニアは胎生期の腹膜鞘状突起が遺残している状態に加えて,成人になってから横筋筋膜が脆弱化して内鼠径輪が開大したために症状が出現したものである.したがって,基本的には「ヘルニア囊の処理」と「開大した内鼠径輪の縫縮」の2操作だけでヘルニア症状は消失する.しかし一般的には,将来発生する可能性のある直接ヘルニア(内鼠径ヘルニア)を予防するために後壁補強を付加している.

 プロリン(R)・ヘルニア・システム(以下,PHS)を用いて外鼠径へルニアを修復する場合,鼠径管後壁を補強するために腹膜前腔に下部パッチを留置する.下部パッチ留置スペースを作製するために,健常な鼠径管後壁(横筋筋膜)をかえって破壊して脆弱にしてしまわないように腹膜前腔の剝離操作は丁寧に行う.

参考文献

1)下間正隆:鼠径へルニアの手術.エキスパートナース19:92-99,2003
2)Moosman DA, Oelrich TM:Prevention of accidental trauma to the ilioinguinal nerve during inguinal herniorrhaphy. Am J Surg 133:146-148, 1977
3)下間正隆,麦谷達郎,山岡延樹,他:鼠径へルニア修復術においてプロリン・ヘルニア・システムの上下2枚のパッチを各スペースに手際よく留置する方法.臨外56:684-685,2001
4)下間正隆,斉藤卓也,曽我耕次,他:プロリン・ヘルニア・システム(PHS)を用いた鼠径へルニア修復術における工夫.第一回日本ヘルニア研究会抄録集,2003.4.12
5)下間正隆:どのようにして縫うか―皮膚縫合.エキスパートナース18:72-76,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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