icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻11号

2006年10月発行

文献概要

特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅴ.ヘルニアの手術

大腿ヘルニア手術

著者: 宮崎恭介1

所属機関: 1医療法人社団みやざき外科・ヘルニアクリニック

ページ範囲:P.355 - P.359

文献購入ページに移動
はじめに

 大腿ヘルニアとはヘルニア囊が腹部内臓の一部や腹膜前脂肪織を伴って大腿輪から大腿管の中に脱出し,さらに大腿卵円窩に突出するヘルニアである.手術術式には鼠径靱帯の上からアプローチするのか下からアプローチするのかの違いにより,鼠径法と大腿法の2つがある.鼠径法では本来ヘルニアのない鼠径靱帯より上の腹壁にも手術侵襲が加わるため,大腿輪に加えて鼠径管後壁の補強も同時に行わなければならない.一方,大腿法では大腿輪のみを閉鎖する方法であるが,視野が悪いためヘルニア門である大腿輪を閉鎖することが困難であるとされてきた.

 プラグ(Bard(R) PerFix(R) Plug,メディコン社製)を用いた大腿法(以下,プラグ・大腿法)は,大腿管にプラグを挿入することで大腿輪を確実に閉鎖することのできる最も簡単な大腿ヘルニア修復術で1~3),非嵌頓例であれば15分程度で施行可能である.本稿ではプラグ・大腿法について,その術式を詳細に解説する.

参考文献

1)Rutkow IM, Robbins AW:The Marlex mesh PerFix plug groin hernioplasty. Eur J Surg 164:549-552, 1998
2)蜂須賀丈博,中山裕史,柴田有宏,他:Mesh plugを用いた大腿ヘルニア修復術―大腿法を中心に.手術50:1457-1459,1996
3)宮崎恭介,中村文隆,道家 充,他:Mesh-plugを用い局所麻酔下に修復した大腿ヘルニアの1例.日臨外会誌60:3028-3031,1999
4)宮崎恭介:鼠径ヘルニア根治術のクリニカルパス.臨外58(増):221-225,2003
5)宮崎恭介:水道水とアルコールによる手術時手洗い後の手術部位感染に関する前向き研究:連続550症例の検討.感染制御1:291-294,2005
6)宮崎恭介:独立型日帰り手術センターでの鼠径ヘルニア修復術.手術59:247-252(別冊)最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術,247-252,2005
7)Bendavid R:Femoral pseudo-hernias. Hernia 6:141-143, 2002
を用いた手術創の閉鎖術.臨外58:400,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?