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特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅵ.痔核・痔瘻・裂肛の手術
痔核に対する半導体レーザー法(ICG併用)
著者: 碓井芳樹1
所属機関: 1碓井サテライトクリニック
ページ範囲:P.385 - P.390
文献購入ページに移動はじめに
筆者は現在無床診療所で日帰り手術を行っている.痔核に対しインドシアニングリーン(以下,ICG)併用の半導体レーザー治療(以下,本治療法)を単独で行うこともあるが,従来の結紮切除術,ゴム輪結紮術などに併用して行うことのほうが多く,症例ごとそして痔核ごとに使い分けていることを明記しておく.
半導体レーザーは従来のレーザーに比べ小型軽量で,電源は通常の100Vで使用でき,冷却水やウオーミングアップの必要がないという特徴があるが,一番の特性はICGの吸収ピークと半導体レーザーの発振波長が805nmでぴったり一致することである.
この特性を使って鈴木ら1)が食道静脈瘤などの治療を行った.つまり,ICGを粘膜下の静脈瘤周囲に注入し,低出力で照射することによって,粘膜面に欠損を生ずることなく,粘膜下に注入したICGにより半導体レーザー光の吸収が増強され,静脈瘤を選択的に凝固治療でき,かつ固有筋層へのレーザーによる傷害が回避されたのである.これを筆者2,3)が痔核治療に応用し,良好な成績をすでに報告した.しかし,本治療法は歴史が浅く,長期予後の成績は出ていない.
筆者は現在無床診療所で日帰り手術を行っている.痔核に対しインドシアニングリーン(以下,ICG)併用の半導体レーザー治療(以下,本治療法)を単独で行うこともあるが,従来の結紮切除術,ゴム輪結紮術などに併用して行うことのほうが多く,症例ごとそして痔核ごとに使い分けていることを明記しておく.
半導体レーザーは従来のレーザーに比べ小型軽量で,電源は通常の100Vで使用でき,冷却水やウオーミングアップの必要がないという特徴があるが,一番の特性はICGの吸収ピークと半導体レーザーの発振波長が805nmでぴったり一致することである.
この特性を使って鈴木ら1)が食道静脈瘤などの治療を行った.つまり,ICGを粘膜下の静脈瘤周囲に注入し,低出力で照射することによって,粘膜面に欠損を生ずることなく,粘膜下に注入したICGにより半導体レーザー光の吸収が増強され,静脈瘤を選択的に凝固治療でき,かつ固有筋層へのレーザーによる傷害が回避されたのである.これを筆者2,3)が痔核治療に応用し,良好な成績をすでに報告した.しかし,本治療法は歴史が浅く,長期予後の成績は出ていない.
参考文献
1)鈴木博昭,日野昌力,林 琢也,他:ICG併用内視鏡的半導体レーザー治療―早期胃癌および食道静脈瘤治療への応用.先端医療5:46-48,1998
2)碓井芳樹:痔核の非観血的インドシアニングリーン併用による半導体レーザー治療―新しい痔核の治療.大腸肛門誌54:921-925,2001
3)碓井芳樹:痔核治療法の適応と限界―インドシアニングリーン併用による半導体レーザー治療.大腸肛門誌56:815-818,2003
4)金子榮藏,棟方昭博,岩男 泰,他:大腸内視鏡検査の偶発症防止のための指針.Gastroenterol Endosc 45:1939-1945,2003
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