文献詳細
文献概要
特集 イラストレイテッド外科標準術式 Ⅶ.甲状腺・乳腺の手術
甲状腺濾胞性腫瘍の手術
著者: 岡本高宏1
所属機関: 1東京女子医科大学内分泌外科
ページ範囲:P.443 - P.449
文献購入ページに移動はじめに
甲状腺濾胞性腫瘍には濾胞癌と濾胞腺腫とが含まれる.両者を手術前に鑑別することは必ずしも容易でなく,細胞診でも癌と腺腫の区別をせずに濾胞性腫瘍として診断することが多い.したがって,濾胞性腫瘍の症例では濾胞癌の可能性をいつも念頭に置き,甲状腺全摘そしてアイソトープ(131I)治療となる場合があることを想定して手術を行うべきである.とりわけ大切なのは副甲状腺と反回神経・上喉頭神経外枝の温存である.
甲状腺濾胞性腫瘍には濾胞癌と濾胞腺腫とが含まれる.両者を手術前に鑑別することは必ずしも容易でなく,細胞診でも癌と腺腫の区別をせずに濾胞性腫瘍として診断することが多い.したがって,濾胞性腫瘍の症例では濾胞癌の可能性をいつも念頭に置き,甲状腺全摘そしてアイソトープ(131I)治療となる場合があることを想定して手術を行うべきである.とりわけ大切なのは副甲状腺と反回神経・上喉頭神経外枝の温存である.
参考文献
1)登 政和:上皮小体温存甲状腺片葉切除術.手術41:1697-1702,1987
2)登 政和,田中信孝,針原 康,他:上喉頭神経外枝の簡単な見付けかた.内分泌外科7:231-235,1990
3)Nobori M, Saiki S, Tanaka N, et al:Blood supply of the parathyroid gland from the superior thyroid artery. Surgery 115:417-423, 1991
掲載誌情報