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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻12号

2006年11月発行

文献概要

カラーグラフ 診療に役立つ肉眼像と組織像の理解―マクロからミクロ像を読む・11

食道悪性疾患

著者: 門馬久美子1 藤原純子1 根本哲生2 吉田操3

所属機関: 1東京都立駒込病院内視鏡科 2東京都立駒込病院病理科 3東京都保健医療公社荏原病院

ページ範囲:P.1427 - P.1434

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はじめに

 食道の悪性腫瘍には上皮性の悪性腫瘍と非上皮性の悪性腫瘍があり,非上皮性の悪性腫瘍には悪性黒色腫や悪性リンパ腫,平滑筋肉腫などが含まれる.非上皮性の悪性腫瘍は稀な疾患である,一方,食道癌においては多数の早期食道癌が発見されるようになった.治療法としても内視鏡的粘膜切除術1~3)や粘膜下層剝離術4)が開発・普及し,現在では食道を温存した低侵襲な内視鏡治療が早期癌の治療に第一選択とされている.さらに,最近では狭帯域内視鏡システム(narrow band imaging:以下,NBI)の併用が可能となり,患者にヨード染色の苦痛を与えることなく早期癌が発見できるようになった.また,拡大観察を併用することで微小浸潤部の診断が実現し5,6),内視鏡治療の適応がより正確に判断できるようになるなど,内視鏡検査は新しい展開をみている.

 本稿では,食道表在癌を中心に内視鏡診断と病理所見を対比して述べる.

参考文献

1)門馬久美子,榊 信廣,吉田 操:食道粘膜癌の内視鏡的治療―内視鏡的粘膜切除(mucosectomy)を中心に.消内視鏡2:501-506,1990
2)幕内博康,町村貴郎,三富利夫,他:食道粘膜癌に対する内視鏡的粘膜切除術の適応と限界.日消外会誌24:2599-2603,1991
3)井上晴洋,遠藤光夫,竹下公夫,他:透明プラスチックキャップを用いた内視鏡的粘膜切除術(EMRC).Gastroenterological Endoscopy 34:2387-2391,1992
4)小山恒男:食道EMRの手技選択.消内視鏡12:718-719,2000
5)井上晴洋,Cho Joo-Young,里館 均,他:食道扁平上皮癌の拡大内視鏡.胃と腸38:1629-1640,2003
6)有馬美和子,有馬秀明,中島志彦,他:内視鏡医に必要な基礎知識・食道―表面構造から見た内視鏡診断と病理組織像との対比.消化器内視鏡12:614-620,2000
7)門馬久美子,吉田 操,山田義也,他:食道粘膜癌の内視鏡診断 深達度亜分類を用いた深達度診断の検討.胃と腸29:327-340,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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