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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻12号

2006年11月発行

文献概要

特集 生活習慣病および代謝性疾患と外科 〔生活習慣病および代謝性疾患を有する症例の術前・術後管理〕

糖尿病患者の術前・術後管理

著者: 長尾玄1 杉山政則1 跡見裕1

所属機関: 1杏林大学医学部消化器・一般外科

ページ範囲:P.1449 - P.1452

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 要旨:糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて様々な危険因子(虚血性心疾患,脳血管障害,腎症,神経障害,易感染性など)を有することが多く,手術の際は術後合併症〔ケトアシドーシス,高血糖性高浸透圧性(非ケトン性)症候群,低血糖性昏睡,脱水,電解質異常,創感染,肺炎などの感染症,縫合不全〕の頻度も高い.糖尿病を有する患者を手術する場合は全身の評価が不可欠であり,また,術中・術後管理においても高血糖や低血糖に十分に注意する必要がある.術前血糖コントロールの目標としては,空腹時血糖値140mg/dl以下,食後血糖値200mg/dl以下,1日尿糖10g以下,尿ケトン体陰性が目安である.術後の血糖管理の目標には様々な意見があるが,血糖値が150~200mg以下,1日尿糖10g以下,尿ケトン体陰性になるように調節する.術前の血糖コントロールが良好な患者に対しては経口血糖降下薬の継続でもよいが,内服治療で空腹時血糖200mg/dl以上の場合には積極的にインスリンを導入する.また,インスリン導入が困難な場合や,術中・術後の血糖管理においては,速効型インスリンを用いたスライディングスケールも有効な方法である.糖尿病患者の周術期管理においては,すべての医療スタッフがその病態と合併症を理解することが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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