icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻13号

2006年12月発行

文献概要

特集 消化器外科術後合併症の治療戦略―私たちはこのように治療している

胆道再建を伴う肝切除後胆汁瘻の治療

著者: 會津恵司1 伊神剛1 梛野正人1 小田高司1 西尾秀樹1 横山幸浩1 安部哲也1 二村雄次1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科学

ページ範囲:P.1601 - P.1604

文献購入ページに移動
 要旨:胆道癌の根治術として肝切除を行う場合などの胆管切除・胆道再建を伴う肝切除の場合は胆汁リークテストが行えないが,肝切離面にガーゼを当て胆汁色に着色するかどうかで胆汁漏の有無を判断する.再建胆管枝の胆汁ドレナージと肝切離面からの排液ドレナージが有効に行えていれば,胆汁瘻は自然に閉鎖することが多い.しかし,病態によっては難治性になることがある.下流側が切除された胆管枝で,その上流側のドレナージ肝実質領域がある程度の大きさである場合は難治性であり,瘻孔からのエタノールアブレーションを行い,胆管枝のアブレーションおよびドレナージ領域の肝実質機能の廃絶させる処置が必要になることもある.胆汁瘻の病態に合った治療法を選択することが肝要である.

参考文献

1)佐野 力,二村雄次:XV.術後合併症対策のKnack & Pitfalls. 1.胆汁瘻.二村雄次(編);Knack & Pitfalls胆道外科の要点と盲点.文光堂,2002,pp350-352
2)Kyokane T, Nagino M, Oda K, et al:An experimental study of selective intrahepatic biliary ablation with ethanol. J Surg Res 96:188-196, 2001
3)Kyokane T, Nagino M, Sano T, et al:Ethanol ablation for segmental bile duct leakage after hepatobiliary resection. Surgery 131:111-113, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?