臨床外科61巻2号

2006年02月発行

特集 外科医に求められる緩和医療の知識

外科医と緩和医療―当院の取り組みと外科における実践

著者： 吉田雅行¹² 諏訪香¹ 戸田央¹² 中山理² 青木茂² 堀雅博² 宮下真理子² 番匠千佳子²

所属機関： ¹聖隷浜松病院外科 ²聖隷浜松病院緩和医療委員会

ページ範囲：P.189 - P.193

文献概要

要旨：わが国の一般病院の外科医の多くは悪性腫瘍の治療に携わり，術後補助療法ばかりでなく再発後の治療・ケアや終末期の緩和ケアを担当している．多忙を極める外科医が，質のよい緩和ケアのすべてにかかわることは現実的ではない．そこで，患者・家族を中心に，病棟・外来看護師，他科医師（ペインクリニック，精神科など），リエゾンナース，薬剤師，栄養士，リハビリ部門，MSW，緩和ケアチーム，かかりつけ医，訪問看護師などとの連携，すなわちチーム医療の実践が必要となる．本稿では，当院の緩和医療委員会の活動内容，外科，特に乳腺外科における緩和ケアの実際について，症例を紹介しながら解説する．

参考文献

1）戸田　央，中山　理，吉田雅行，他：緩和医療委員会の歩み―緩和ケアアンケート結果より．聖隷浜松病医誌4：45-49，2004

2）福本直子，二橋大介，飯尾洋行，他：当院における緩和医療の取り組み．第7回日本緩和医療学会：2002