臨床外科61巻2号

2006年02月発行

臨床報告・1

腹壁腫瘤を呈した放線菌症の1例

著者： 若月俊郎¹ 野坂仁愛¹ 竹林正孝¹ 岡本恒之¹ 鎌迫陽¹ 谷田理¹

所属機関： ¹山陰労災病院外科

ページ範囲：P.237 - P.240

文献概要

はじめに

　放線菌症は近年抗生物質の発達により比較的稀な疾患となってきており，なかでも腹部放線菌症の報告はわずか110例足らずである^1）．われわれは今回腹部腫瘤を呈した放線菌症の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する．

参考文献

1）橋本良造，鈴木勝一，中山　隆，他：急性虫垂炎の症状を呈した大網放線菌症の1例．臨外50：682-683，1995

2）美甘義夫，福島孝吉：日本に於ける内科的放線菌症について．日化療会誌6：127-144，1958

3）渡辺一功：腸放線菌症．日臨43：432-434，1985

4）片村　宏，坂下　武：大網原発腹部放線菌症の1例．日臨外会誌55：3201-3203，1994

5）Harris LA, DeCosse JJ, Dannenberg A：Abdominal actinomycosis：Evaluation by computed tomography. Am J Gastroenterol 84：198-200, 1989

6）Lininger JR, Frable WJ：Diagnosis of pelvic actinomycosis by fine needle aspiration. A case report. Acta Cytol 28：601-604, 1984

7）古谷信彦：放線菌症．新世紀の感染症学 上巻．日臨61（増刊）：368-372，2003

8）金川昭啓，上村俊介，中村　功：放線菌属の分離状況と薬剤感受性の検討．日嫌気性菌感染症研31：130-135，2001

9）林　雅規，竹中博昭，小野田雅彦，他：腹壁放線菌症の1例．日臨外会誌66：510-514，2005