臨床外科61巻2号

2006年02月発行

臨床報告・1

Pagetoid spreadを伴った肛門管癌の1例

著者： 前田真一¹ 瀧川譲治¹ 豊山博信¹ 原口優清¹ 愛甲孝² 栗脇一三³

所属機関： ¹鹿屋医療センター外科 ²鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍制御学 ³鹿児島大学大学院医歯学総合研究科人体病理学

ページ範囲：P.241 - P.244

はじめに

　Pagetoid spreadは腺癌細胞が皮膚に連続性に進展したもの^1）で，これを伴う肛門管癌は稀である．今回，われわれはpagetoid spreadを伴う肛門管癌を経験したので報告する．

参考文献

1）伊原文恵，上田一夫，城原直樹：肛門周囲pagetoid spreadを伴った肛門管癌の1例．日消外会誌34：515-519，2001

2）Darier J, Couilland P：Sur un cas de maladie de Paget de la region perineo-anale et scrotale. Ann Dermatol Syphiligr（Paris）4：25-31, 1893

3）斎籐　京，稲積豊子，清水　宏：肛囲にPaget現象を呈した肛門管癌の1例．臨皮52：176-178，1998

4）平松聖史，松浦　豊，河野　弘：肛門管腺癌を伴った肛門Paget病の1例．日臨外会誌61：1511-1514，2000

5）矢野誠司，木坂義彦，田村勝洋，他：直腸癌に合併していた肛門周囲Paget病の1切除例．日臨外会誌50：1606-1611，1989

6）児玉正太，平井　孝，加藤知行，他：Pagetoid spreadを伴った肛門管癌の1切除例．日消外会誌29：1706-1770，1996

7）隅越幸男：肛門癌に関するアンケート調査報告．日本大腸肛門病会誌35：92-97，1990

8）隅越幸男：肛門管癌．消外セミナー20：226-242，1985

9）高橋　孝，古島　薫，太田博俊，他：肛門管癌のリンパ節転移の特徴．日本大腸肛門病会誌34：473-478，1981

10）奥野王有，池原照幸，長山正義，他：肛門管癌の臨床病理学的検討．日本大腸肛門病会誌43：323-327，1990