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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻4号

2006年04月発行

特集 最新の手術器械―使いこなすコツを学ぶ

マイクロ波メスを用いた肝切除術

著者: 野浪敏明1 黒川剛1 大輪芳裕1

所属機関: 1愛知医科大学医学部消化器外科

ページ範囲:P.449 - P.452

文献概要

要旨:マイクロ波メスは,電磁波によって発生する誘電熱を用いて,凝固,止血を行う器具である.特に肝硬変を伴うことの多い肝細胞癌の肝切除時に用い,出血量を減少させる手段として有用である.肝切離線に沿って電極を肝表面から約1cm間隔で突き刺し,80W・20秒の焼灼凝固を行なったのち,肝を切離する.これより深い部位はCUSATMとイリゲーションバイポーラーで切離する.合併症として後出血,胆汁瘻,感染などがあり得る.腹腔鏡下肝切除術時の肝切離にも出血量を減少させる手段として有用である.マイクロ波は肝腫瘍などの凝固焼灼治療としても用いられる.

参考文献

1)逢坂愛児:マイクロ波による肝切除法の開発.日外会誌72(臨時):42,1972
2)Tabuse K, Katsumi M:Application of microwave tissue coagulator to hepatic surgery―the hemostatic effects on spontaneous rupture of hepatoma and tumor necrosis.日外宝50:571-579,1981
3)黒川 剛,稲垣 均,野浪敏明:腹腔鏡下肝切除の要点.臨外60:1029-1033,2005
4)才津秀樹,吉田晃治,朔 元則,他:マイクロ波凝固壊死療法(MCN).消外21:481-487,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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