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特集 手術のための臨床局所解剖
乳腺手術のための臨床局所解剖
著者: 園尾博司1
所属機関: 1川崎医科大学乳腺甲状腺外科
ページ範囲:P.557 - P.563
文献購入ページに移動要旨:乳腺は表在性臓器であるので,皮膚切開による瘢痕や不適切な皮膚剝離による皮弁壊死,乳房の変形などが起こらないように整容上の配慮が必要である.また,乳房や乳管の構造を知っておくことはもちろんのこと,乳房温存手術では狭い視野で腋窩リンパ節郭清を行うことが多いため,腋窩の解剖をよく理解していないと円滑な手術ができない.すなわち,長胸神経や胸背神経はもちろんのこと,下胸筋神経,肋間上腕神経の走行を熟知していないとこれらを損傷し,患者のquality of life(QOL)を損なう結果となる.本稿では,乳腺手術に必要な乳房および腋窩の臨床局所解剖のポイントについて乳腺手術に即して述べた.
参考文献
1)佐藤達夫:乳房の解剖と生理.1.解剖.泉雄 勝,妹尾亘明(編);乳腺疾患.改訂第2版.金原出版,1993,p2
2)植野 映:解剖.霞富士雄,植野 映(編);乳癌の手術.改訂第3版.南江堂,2005,p3
3)園尾博司:乳房温存術.1.乳房円状部分切除術.霞富士雄,植野 映(編);乳癌の手術.改訂第3版.南江堂,2005,pp52-71
4)園尾博司:乳房の手術術式.付2.乳管区分切除術.泉雄 勝,妹尾亘明(編);乳腺疾患.金原出版,1986,p363
5)日本乳癌学会(編):乳癌取扱い規約.第15版.金原出版,2004,p9
6)園尾博司:Patey法による乳癌の手術.手術54:195-202,2000
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