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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻5号

2006年05月発行

特集 手術のための臨床局所解剖

膵手術のための臨床局所解剖

著者: 鈴木康之1 藤野泰宏1 黒田嘉和1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科消化器外科学

ページ範囲:P.621 - P.626

文献概要

要旨:膵臓の外科手術は消化器外科領域でも難易度が高く,膵液瘻など術後合併症の頻度も低くない.習熟した膵臓外科医のチームが充実した設備を有し,かつ複数の診療科の協力を常時得られる環境で行うべき手術である.周囲には総胆管,総肝動脈,固有肝動脈,上腸間膜動脈,上腸間膜静脈,門脈など重要な脈管が走行し,それらの正常な解剖を熟知していないと,術中に大量出血や深刻な副損傷につながり得る.炎症や腫瘍の進展などで修飾が加わると,さらに手術の難易度が上がる.術式は多様であり,病変部位によって膵頭十二指腸切除術,膵体尾部切除術,膵全摘術,また慢性膵炎や急性膵炎に対する手術,良性腫瘍に対する核出術やいくつかの低侵襲手術も考案されている.膵手術のための臨床局所解剖を述べるにあたり,本稿では「総論」および「各論」を「膵頭十二指腸切除術」,「膵全摘術と膵体尾部切除術」,「脾動静脈温存膵体尾部切除術」に分け,必要な局所解剖を項目ごとに概説した.

参考文献

1)Kimura W, Inoue T, Futakawa N, et al:Spleen-preserving distal pancreatectomy with conservation of the splenic artery and vein. Surgery 120:885-890, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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