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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻5号

2006年05月発行

特集 手術のための臨床局所解剖

鼠径部ヘルニア手術のための臨床局所解剖

著者: 篠原尚1 水野惠文1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院外科

ページ範囲:P.627 - P.636

文献概要

要旨:鼠径部のヘルニア手術にあたっては,鼠径管と大腿管の3次元的な理解が不可欠である.鼠径管を構成するのは体表側から順に外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋,横筋筋膜の4層であり,それぞれ外腹斜筋腱膜(脚間線維)は前壁を,同腱膜から移行する鼠径靭帯は下壁を,内腹斜筋と腹横筋腱膜弓は上壁を,さらに横筋筋膜(と腹横筋腱膜線維の一部)は後壁を担っている.また,大腿管は横筋筋膜から続く大腿血管鞘の大腿静脈と裂孔靱帯との間隙である.病的な状態であるヘルニアは,腹膜が腹膜下筋膜を伴った構造のまま袋状に伸展し,横筋筋膜を被った状態で脱出したものである.

参考文献

1)柵瀨信太郎:鼠径部の局所解剖.吉野肇一,武藤徹一郎,二川俊二(編);最新アッペ・ヘモ・ヘルニア・下肢バリックスの手術.金原出版,2000,pp209-219
2)金谷誠一郎:膜の解剖からみた消化器一般外科手術―鼠径ヘルニア根治術・内鼠径輪の処理.臨外51:903-911,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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