icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻5号

2006年05月発行

臨床研究

パーキンソンニズム症例における消化器手術の問題点

著者: 田中恒夫1 真次康弘1 石本達郎1 香川直樹1 中原英樹1 福田康彦1

所属機関: 1県立広島病院一般外科

ページ範囲:P.679 - P.683

文献概要

はじめに

 パーキンソンニズムは振戦,筋硬直,無動,歩行障害を主症状とする慢性進行性神経疾患であり,70歳以上の高齢者に多いので1),術前よりすでに各種の合併症を有している.消化器手術を行う場合には,一定期間,抗パーキンソン剤の内服ができないので症状の悪化(悪性症候群)や術後の腸管運動麻痺,誤嚥性肺炎などの合併症に特に注意が必要である.

 これまで,パーキンソンニズムの消化器手術に関しては,高橋ら2)がパーキンソンニズム併存例と脳血管障害後遺症併存例の比較検討している以外は,周術期の管理について症例報告が散見されるのみである3~5).本稿では,当科で経験したパーキンソンニズム併存例の消化器手術を検討し,その問題点を検討した.

参考文献

1)久野貞子:パーキンソン病の疾患概念・病因・診断基準.日本臨床62:1603-1607,2004
2)高橋忠雄,橋本 肇,野呂俊夫,他:パーキンソンニズムと手術後合併症.日老医誌34:192-195,1997
3)野倉一也,稲垣俊明,三竹重久,他:L-dopa大量持続静脈内投与によるパーキンソン病患者の術後管理.神経内科35:516-521,1991
4)則行敏生,岡島正純,吉岡伸吉郎,他:消化器手術を施行したパーキンソン病症例:特にその周術期管理について.日消外会誌29:2205-2209,1996
5)宝来哲也,西山友貴,山本博俊,他:レボドパ大量持続静注で周術期管理をおこなったパーキンソン病患者の開腹術症例.麻酔51:42-45,2002
6)Hoehn MM, Yahr MD:Parkinsonism:onset, progression, and mortality. Neurology 17:427-442, 1967
7)小野寺時夫,五関謹秀,神前五郎:Stage Ⅳ,Ⅴ(Ⅴは大腸癌)消化器癌の非治癒切除・姑息手術に対するTPNの適応と限界.日外会誌85:1001-1005,1984

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら