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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻6号

2006年06月発行

文献概要

特集 癌の播種性病変の病態と診断・治療

特集によせて

著者: 桑野博行1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学

ページ範囲:P.729 - P.732

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はじめに

 臓器の漿膜面に浸潤した癌細胞が腹腔・胸腔内に遊離し(播種),胸膜や腹膜の中皮細胞に生着し,増殖することにより成立する播種性転移は,消化器癌や肺癌など体腔に面した臓器に認められる特有な転移形式であるが,同時に高頻度にみられる転移形式でもある.一般に,このような癌の広がりは外科的切除の範囲を超えた進展であり,同時に治癒が望めない病期であることを意味している.さらに播種性転移では患者QOLが著しく損なわれる.胸水や腹水の貯留と呼吸障害や腸管通過障害がもたらす患者の苦しみは大きい.1日も早く播種性転移に有効な治療法の開発が待たれるが,ほかの部位への転移に対しては様々な集学的治療によって治癒効果があげられているにもかかわらず,播種性転移においては依然として有効な治療法の開発は立ち遅れている.

参考文献

1)日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会:婦人科腫瘍委員会「卵巣がんの治療の基準化に関する検討小委員会」報告.日産婦会誌52:1321-1341,2000
2)大和田倫孝,泉 章夫,藤原寛行,他:卵巣癌の治療.進行癌予後改善のための拡大手術.日臨62(増刊):535-539,2004
3)Asao T, Fukuda T, Yazawa S, et al:Carcinoembryonic antigen levels in peritoneal washings can predict peritonealrecurrence after curative resection of gastric cancer. Cancer 68:44-47, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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