icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻6号

2006年06月発行

文献概要

病院めぐり

小笠原村診療所

著者: 越村勲1

所属機関: 1小笠原村診療所

ページ範囲:P.784 - P.784

文献購入ページに移動
当院は,東京竹芝桟橋から週1便の定期船「おがさわら丸」で片道25時間半の小笠原諸島父島にある唯一の医療機関です.小笠原諸島は有史以来一度も大陸とつながったことのない海洋島であり,独特の進化を遂げた固有生物もみられることから,東洋のガラパゴスと言われています.当診療所は,昭和43年に小笠原が日本に復帰した際に米軍の診療所を引き継いで開設し,現在は医師2名,歯科医師1名,助産師2名,看護師4名,歯科衛生士1名,歯科技工士1名,事務職員5名が勤務する11床の有床診療所です.

 小笠原は東京都に属しながらも亜熱帯の気候で,一年中泳ぐことができ,ホエールウォッチングやダイビングなどの観光客が来島します.それら観光の方が診療所を受診されることもありますが,患者様のほとんどは島民の方々です.受診の内訳は整形外科疾患が最も多く,内科,精神科,小児科,耳鼻科,眼科,産婦人科など全科に及びます.有床診療所と言っても給食設備はなく,各科の専門医は不在であるため,専門治療が必要な患者様は定期船に乗って「内地」へ受診のための上京をしていただくこととなります.しかし,経済的・時間的に多大な負担を負うことになるため,簡単な検査程度での上京をしてくださる場合は少なく,当院でできる限りの診療を行っています.

参考文献

:越村 勲,武井 大:離島の総合診療では何を診ているのか 地域医療をめざす医師のために.JIM 15:924-927,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら