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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻6号

2006年06月発行

文献概要

外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・30

うがいは有効か

著者: 岡崎誠1

所属機関: 1市立伊丹病院外科

ページ範囲:P.786 - P.787

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【はじめに】

 最近,京都大学保健管理センターのSatomuraら(川村孝教授の研究グループ)1)から「風邪予防には水うがい」が有効で,何もしない群に比べて約4割,風邪をひく確率が低く,またヨード液(いわゆるイソジンガーグル(R)でうがいをした群はしない群とほとんど差がなかった(すなわちイソジンガーグル(R)によるうがいは無意味)という研究成果を発表し話題になっている.外科の分野でも風邪の患者をみる機会は多く,また,「手術前には術後の肺合併症予防のためにうがいを奨励したほうがいいのだろうか」,「奨励するとしたら水がよいのか,あるいはイソジン(R)がよいのか,塩水がよいのか」,「術前あるいは術後,風邪をひいた患者の予防や治療は」などの避けては通れない問題を含んでいる.本稿では,この問題を検証してみる.

参考文献

1)Satomura K, Kitamura T, Kawamura T, et al:Prevention of upper respiratory tract infections by gargling. Am J Prev Med 29:302-307, 2005
2)真崎宏則,吉嶺裕之,出川 聡,他:院内肺炎予防におけるポピドンヨードによる上気道清浄化の有用性.感染症学雑誌75:97-102,2001
3)西久保敏也,高橋幸博,川口千晴,他:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のNICU内感染とその対策;ポビドンヨード希釈液を用いた患児口腔内清拭の検討.日児誌97:1830-1835,1993
4)松本慶蔵:呼吸器感染症―急性・慢性のPathogenesis.結核71:477-494,1996
5)渡辺 浩:保菌者対策への新しいアプローチ.Infection Control 9:27-30,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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