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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻7号

2006年07月発行

特集 消化器外科における非観血的ドレナージ

胆囊―胆囊炎

著者: 中川国利1 白相悟1 遠藤公人1

所属機関: 1仙台赤十字病院外科

ページ範囲:P.923 - P.928

文献概要

 要旨:従来,急性胆囊炎における手術および胆囊ドレナージの適応,時期,方法などに対する診療方針は施設によって大きく異なってきた.しかし,治療標準化の必要性が提唱され,急性胆道炎の診療ガイドライン作成出版委員会によって「急性胆管炎・胆囊炎の診療ガイドライン」が2005年に作成された.急性胆囊炎に対しては早期の手術が推奨され,胆囊ドレナージの適応は従来より限定されている.しかし,何らかの理由によって手術が行えない急性胆囊炎に対しては,胆囊ドレナージは有効な治療法である.今後,胆囊ドレナージの適応を厳密に行うとともに全身状態の改善に努め,ドレナージ後は早期に手術(できれば腹腔鏡下胆囊摘出術)を行うことが望まれる.

参考文献

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8)久津見弘,信谷健太郎,池澤 聡,他:胆囊結石による急性胆囊炎に対する経皮経肝的胆囊穿刺吸引術の有用性.胆道18:132-137,2004
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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