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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻7号

2006年07月発行

文献概要

特集 消化器外科における非観血的ドレナージ

ドレナージ・チューブの管理と治癒判定

著者: 板本敏行1 小橋俊彦1 浅原利正1

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬学総合研究科先進医療開発科学講座外科学

ページ範囲:P.941 - P.944

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 要旨:ドレナージ・チューブによって体外に排出される体液の量や性状などから得られる情報は,病態を把握するうえで重要な診断根拠となる.さらに,その管理の良否は治療経過に大きな影響を与える.これらの変化を見逃すことなく,迅速に対応することがドレナージ・チューブ管理の目的である.チューブ排液の急激な減少・停止に腹痛や発熱などの臨床症状を伴う場合には,特に迅速な対応が必要である.ドレナージの治癒判定と抜去時期の決定には排液の量や性状だけでなく,全身状態,血液生化学検査の結果などを総合的に判断して行う.特に,消化液の漏出をドレナージしていた場合には,その排液が消失し,チューブからの造影で消化管,胆管,膵管との交通が消失していることを確認してから抜去する.

参考文献

1)Dougherty SH, Simmons RL:The biology and practice of surgical drains. Part 1. Curr Probl Surg 29:559-623, 1992
2)笹子三津留,佐野 武,片井 均,他:胃切除時のドレーン.手術48:2105-2109,1994
3)吉野肇一(編):ドレーン・カテーテル管理.医学書院,2005,pp124-126
4)安田武史,水沼仁孝,清水敦夫,他:腹部救急疾患に対するInterventional Therapyとしての腹腔内膿瘍ドレナージ.日本腹部救急医学会雑誌23:1039-1045,2003
5)松尾英夫,川原隆一,西村一宣,他:肝膿瘍ドレナージ症例の検討―USガイド下ドレナージ術について.日腹救急医会誌23:1047-1052,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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