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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻8号

2006年08月発行

特集 急性腹症における低侵襲な治療法選択

イレウスに対する保存療法の適応と限界

著者: 清水武昭1 新国恵也1 河内保之1 西村淳1

所属機関: 1長岡中央綜合病院外科

ページ範囲:P.1067 - P.1072

文献概要

 要旨:腹腔内臓器の疼痛は,(1)平滑筋の攣縮,痙攣,(2)腹膜,漿膜の伸展,(3)腹膜,漿膜への刺激物質(消化液,病原微生物など)による刺激,以上の単独か複合に起因する.病歴,腹部所見,薬剤に対する反応をみたうえで(1)~(3)を造影CTにて確認すると,緊急手術の適応か保存療法の適応かどうかを誤診することなく判別することが可能であった.その際,われわれの重症所見判定は有用であった.イレウス管治療は有用でその治癒率も高く,大部分は3日間の治療で解除された.そのため術前処置としても有用であり,イレウス管造影,CTイレウス管造影を駆使すると,ほぼ全例で確定診断が可能であった.

参考文献

1)清水武昭,土屋嘉昭,佐藤 攻:閉塞性黄疸と減黄率b値―胆管炎による肝障害の意義について.腹部救急診療の進歩11:807-810,1991
2)吉田昭寛,長岡 榮,本間 穣,他:経皮経食道胃管挿入術(PTEG)の有用性.臨放線48:1671-1675,2003
3)宇高徹総,西澤祐吏,吉田 修,他:閉鎖口ヘルニア嵌頓:嵌頓腸管の整復法とヘルニア門の処置について.日腹部救急医会誌25:71-74,2005
4)Kanda T, Fujii H, Tani T, et al:Intestinal fatty acid-binding protein is a useful diagnostic marker for mesenteric infarction in humans. Gastroenterology 110:339-343, 1996
5)清水武昭,新国恵也,河内保之,他:消化器外科手術および手術同時透析―MOFさなかの手術も含めて.日本臨床62(増):423-428,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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