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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻8号

2006年08月発行

文献概要

特集 急性腹症における低侵襲な治療法選択

イレウスに対する外科治療―腹腔鏡下手術か開腹手術か

著者: 加納宣康1 北川美智子1 草薙洋1 三毛牧夫1 山田成寿2

所属機関: 1亀田総合病院外科 2松波総合病院外科

ページ範囲:P.1073 - P.1077

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 要旨:急性腹症の領域でも腹腔鏡下手術が普及してきたので,最近の急性腹症に対する腹腔鏡下手術の普及状況およびその適応,意義について述べ,腹腔鏡下手術手技はあくまでも合理的な手術を行うための作戦に使えばよいという考え方を示した.さらにイレウスに対する腹腔鏡下手術の適応,限界などについて述べた.イレウスに対して手術を実施する場合は,腸管の拡張が軽快していてworking spaceを安全に確保できる単純性癒着性イレウス症例ではまず腹腔鏡下手術を適応してよいが,腹腔鏡観察による所見および手術の進行状況によって小開腹併用あるいは大開腹に移行するなど,適宜術式を合理的に変更していくことが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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