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文献詳細

雑誌文献

臨床外科61巻8号

2006年08月発行

臨床報告・1

ダブルバルーン内鏡鏡で診断したblind pouch syndromeの1手術例

著者: 瑞木亨1 佐田尚宏1 安田是和1 永井秀雄1 山本博徳2

所属機関: 1自治医科大学消化器外科 2自治医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1125 - P.1129

文献概要

はじめに

 消化管吻合に伴う合併症として,盲囊や空置腸管に種々の病的変化をきたす吻合病であるblind loop syndromeがあるが,このうち盲端となっている腸管に潰瘍形成や出血を生ずる病態を特にblind pouch syndromeと呼称する.

 今回われわれは,小腸小腸の側々吻合術後30年以上経過してから下血で発症し,ダブルバルーン内視鏡で確定診断され,経過観察中に出血性ショックを呈し緊急手術を施行したblind pouch syndromeの1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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