文献詳細
文献概要
連載企画「外科学温故知新」によせて・5
創傷管理(2)―デブリードマン(Débridement)とは
著者: 佐藤裕12
所属機関: 1北九州市立若松病院外科 2日本医史学会
ページ範囲:P.1250 - P.1251
文献購入ページに移動その後,特に英語圏では「創を切除すること=wound excision」や「挫滅して活力のない組織を切除すること=removal of all obviously devitalized tissue, removal of nonviable tissue」という意味に変化してきて,今日一般的に理解されているような「デブリードマン」の概念が定着してきた.また今日,化学薬剤や酵素剤を用いたデブリードマンも行われるようになってきているが,最近になって,糖尿病性壊疽患者の難治性潰瘍にウジを這わせることで壊死組織を蚕食させて,創傷治癒を促進しようとする「医療用無菌ウジ療法(maggot débridement therapy:以下,MDT)」が脚光を浴びつつある.このMDTは「biodebridement」ないし「biosurgery」とも呼ばれて,その有用性から欧米諸国において「世界最小の外科医」と評価されるようになっている.
参考文献
掲載誌情報