文献詳細
臨床報告・1
術後経鼻持続陽圧呼吸療法を施行した重症閉塞型睡眠時無呼吸症候群併存結腸癌の1例
著者: 本間英之12 中村茂樹1
所属機関: 1新潟県立加茂病院外科 2現 新潟逓信病院外科
ページ範囲:P.1263 - P.1265
文献概要
今回,われわれは結腸癌に併存した閉塞型睡眠時無呼吸症候群を術前に診断し,経鼻持続陽圧呼吸療法(nasal continuous positive airway pressure:以下,NCPAP)を導入し,全身麻酔による回盲部切除後,良好に経過した症例を経験した.
睡眠時無呼吸症候群は,睡眠中の無呼吸や低換気とともに,日中の傾眠傾向や,倦怠感,集中力の欠如などを特徴とした症候群である.40歳以上の男性に多く,有病率は男性で約4%,女性で約2%と推測され決して稀な疾患ではない1,2).また低換気による症状として低酸素血症や高炭酸ガス血症などを認める.高血圧,冠動脈疾患,脳血管障害,糖尿病などを合併することも多い3).これらの症状や合併症は全身麻酔による開腹手術後の合併症とも関連が深い.しかし,睡眠時無呼吸症候群と術周術期管理について,一般外科からの報告はほとんどない.自験例に文献的考察を加え報告する.
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