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臨床報告・1
Linear staplerによるfunctional end-to-end anastomosis後に吻合部再発をきたした結腸癌の2例
著者: 盛口佳宏1 上原圭介1 藤田伸1 山本聖一郎1 赤須孝之1 森谷冝皓1
所属機関: 1国立がんセンター中央病院大腸外科
ページ範囲:P.1283 - P.1286
文献購入ページに移動結腸癌切除後のlinear staplerを用いた機能的端々吻合(functional end-to-end anastomosis:以下,FEEA)はSteichen1)によって1968年に報告され,1990年代には手術手技の簡便性と手術時間の短縮効果のため欧米を中心に広く普及し,現在では標準的吻合手技として確立されている.一方,わが国では直腸癌手術と異なり,結腸癌手術では吻合器の使用が保険で認められていなかったことから,手縫いによる吻合再建が一般的であった.しかし,2000年4月に結腸癌手術に対しても4個を限度に縫合器の使用が保険で認められてから,FEEAによる吻合再建は急速に普及しつつある2).当院でも1999年から結腸癌手術の吻合にFEEAを部分的に導入し,現在では主にcircular staplerを用いるS状結腸を除き,吻合再建は原則的にFEEAで行っている.
一方,結腸癌では直腸癌と比較して術後吻合部再発の頻度は低いが,近年,学会や論文でのFEEA後吻合部再発の報告が散見されるようになっている2,3).今回,FEEAで再建を行った結腸癌術後に吻合部再発をきたした2症例を経験したので報告する.
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