臨床外科62巻1号

2007年01月発行

臨床報告・1

狭窄型虚血性小腸炎をきたした重症マムシ咬傷の1例

著者： 中野正啓¹ 田辺大朗¹ 近藤圭一郎¹ 野田健治¹

所属機関： ¹公立おがた総合病院外科

ページ範囲：P.135 - P.138

文献概要

はじめに

　わが国におけるマムシ咬傷患者は年間で1,000～2,000人と推測され，死亡例は10～20人程度とされている^1）．今回，われわれはマムシ咬傷後に急性腎不全に陥り，かつ狭窄型の虚血性小腸炎を合併した1例を経験したので，若干の文献的考察を加え報告する．

参考文献

1）堺　淳：急性中毒―的確な治療のために（自然毒）マムシ，ヤマカガシ，ハブ．救急医学 25：162-164，2001

2）真喜屋實佑：ハブ・マムシ咬傷．日本医師会雑誌 103：1860-1863，1990

3）水口昌伸，岩切龍一，藤本一眞，他：全身性疾患と消化器病変中毒（ヘビ毒）．胃と腸 38：647-650，2003

4）星野和義，佐藤尚喜，梶谷真司，他：血小板減少，上部消化管出血，および意識障害をきたしたマムシ咬傷の1例．日臨外会誌 60：2512-2516，1999

5）石田岳史，松田昌三，小山隆司，他：受傷後早期にショック・出血傾向・大量吐血を呈したマムシ咬傷の1例．日救急医会誌 6：362-365，1995

6）三浦　洋，早野恵子，井野辺義人，他：マムシ咬傷後に横紋筋融解による急性腎不全を併発した2症例．日透析医会誌 24：651-655，1991

7）Marston A, Phelis MT, Thomas ML, et al：Ischemiccolitis. Gut 7：1-15, 1996

8）五十嵐直喜，萩生田純，星本相淳，他：狭窄型虚血性小腸炎の1例．日臨外会誌 65：1273-1276，2004