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カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・6
胸腔鏡下食道切除術
著者: 國崎主税1 牧野洋知1 高川亮1 永野靖彦1 藤井正一1 小坂隆司2 小野秀高2 大塚裕一2 秋山浩利2 市川靖史2 嶋田紘2
所属機関: 1公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科 2公立大学法人横浜市立大学医学研究科消化器病態外科学
ページ範囲:P.1307 - P.1312
文献購入ページに移動食道癌に対する食道切除術では食道切除に加え,縦隔リンパ節郭清が重要である.わが国では1980年代に縦隔リンパ節郭清の重要性が唱えられ,2領域郭清に加え3領域郭清が広く行われるようになった.しかし,徹底した縦隔リンパ節郭清は術後の呼吸器合併症を引き起こし,ときには重篤な状態にまで至る.そこで,手術侵襲軽減のために1992年にはPeracchiaら1)が,1993年にはCuschieri2)やGossotら3)が次々と内視鏡下食道切除術の有用性を報告した.
わが国では開胸下の食道切除術と縦隔リンパ節郭清の手技が確立され,一般的に行われているが,胸腔鏡下食道切除術はいまだ広く受け入れられているわけではない.しかし,近年になって胸腔鏡下食道切除術は手技の工夫や様々な手術器具の発達によって手技の安定化がはかられつつあり,今後ますます標準化していくものと考える.本稿では,われわれが行っている手技について概説する.
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